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あかいいと。【ハンジ・ゾエ/進撃の巨人】

第1章 病めるときも、健やかなるときも 【分隊長×リヴァイ班夢主】


「、次はこっちだ」

「はい!」


翌日、リヴァイ班恒例、週二回の大掃除がやってきた。
執務室は物が少ない分汚れが目立つ。
念入りに仕上げなくては。


昨日はあの後研究室で眠ってしまい、ハンジさんが部屋まで運んでくれたそうだ。
失態…ちゃんとお礼を言わなくちゃ


すると兵長が思い出したかのように時計を見遣り、いつもの舌打ちを響かせる。



「…俺は会議に行ってくる。
何かあればグンタあたりに教えてもらえ」



そういい残し、返事の隙も与えぬまま出て行ってしまった。


突如自由を手に入れた。
とはいえ何もしないわけにもいかず、カーテンをめくって窓掃除を試みる。



「いい日差し。
昨日も今みたいな晴れやかな空の下で、エルのドレスは優しく揺れて…」



あの美しい光景に、憧れるくらいいいでしょう。



「その健やかなるときも、病める時も。
死が二人を別つまで…なんだっけ」





「おーいリヴァイ!
会議の時間とっくに過ぎてるよ」



え?

扉から覗くのは、黄色いシャツと黒縁眼鏡。



「っ!!…ハンジさん!兵長、今向かわれました。
そうだ、昨晩はほんっとうにすみません!
あのまま寝ちゃうなんて…」



だめだ、挙動が不審すぎる。



「いいよいいよ。
それより、今一人で何してたの?」

「う…」



顔がぐんぐん赤くなるのがわかる。
現場を押さえられたのに「掃除をしていた」はさすがに通じないだろう。
私はしぶしぶ白状する。



「昨日の結婚式に触発されて真似てみたんです!
一人で何やってるんだって感じですけど」



するとハンジさんは、口元に手を当て笑みを浮かべた。



「んー、
これとかいいんじゃない?ほら!」



おもむろに近くのテーブルに手を伸ばし、掲げられたのは白いレースのランチョンマット。



「は白が似合うね」



そう言って、私の頭にふわりとかぶせた。



「が嫁いだら私泣いちゃうかもなあ。
世話になった上官として、式には呼んでくれたまえ!」



ハンジさんが茶化す。
私が他の誰かを好きになるなんて、ありえないのに。



「じゃあ、ハンジさん…予行練習付き合ってください」


「うえっ?」



欲張りな自分が顔を出す。
幼気な少女の、一等星のようなあの頃と同じ。
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