第1章 転校初日から
「るぅと会長にあんなことするなんて、恐ろし過ぎるよ」
莉犬くんが呆れた様子で言ってきた。
「財閥の息子だからって調子乗っちゃダメなんだよ。なーくんみたいに謙虚でいなきゃ。まぁ、昨日のアレは怖かったけど」
二人で教師をゴミでも見るような目で見ていたアレは怖かった。
なーくんは意外と優しくて可愛くて、ギャップ萌えだなぁ。
「それでも、水を掛けるのはダメだよ」
「ちょっとやってみたかっただけ。もうやらない」
また酷いこと仕出かした時にやるけどさ。
「愛奈ちゃんって本当に強いね」
「そう?まぁ、色々あってハチャメチャに出来なかったからねぇ……」
今までの学校生活は大和撫子みたいに一つ一つの行動を丁寧にやらなきゃいけなかったし、友達も全然いなかったから楽しくなかった。
だから、身分を隠して学校に行かせてもらえてるからこそハチャメチャにやりたかった。
結局、私は瑠組の上なんだから。