第1章 転校初日から
三限の授業が終わり、昼休みとなった。
今日は莉犬くんが弁当箱を持って私の隣に座った。周りの人は自ずと避けていく。
「あれ?莉犬くんはるぅと会長と食べないの?」
「あぁ……なんとなく愛奈ちゃんと食べたいなぁって思って。るぅと会長と居ると、パワハラが勃発するからね」
「うわぁ……腹黒以上にパワハラかぁ。最悪だねぇ」
腹黒でパワハラをする生徒会長って、この学校壊れるんじゃない?
「どーも!愛奈ちゃん!」
「あっ、なーくん!」
莉犬くんとお弁当を食べようとした時、なーくんとジェルくんとさとみくんが来た。
「な組の皆さん、今日はどうなさったのですか?」
「な組?」
私は莉犬くんの問い掛けた言葉に首を傾げた。そんな私に気付いたさとみくんが答えてくれた。
「なーくんとジェル、俺の三人組はな組と呼ばれてるんだ。ついでに、るぅとところん、莉犬の三人組でる組と呼ばれてるんだ」
「なるほど……」
この学校、本当にヤバくない?な組とる組に支配されてるこの学校が恐ろしい。
「ジェルくんは遠井さんと食べないの?」
莉犬くんの質問に、ジェルくんは苦笑いをした。
「遠井さんはトイレ行ってから一緒に食べるって。さすがにあの遠井さんでも、るぅと会長に水を掛ける転校生が気になるんだって」
遠井さんって、ジェルくんのお友達?彼女?出来れば同性であってほしい。
ジェルくん、さり気なく私のこと馬鹿にしたよね?
「ジェルくん、その言い方はダメだよ」
「はーい、すみませんでしたー」
なーくんが注意すると、ジェルくんは申し訳無そうに謝った。さすがなーくんだ。私が覇組の親戚と知ってるからなのかな。