第6章 ドキドキの文化祭
夏休みが開けて、また寮生活も始まる。
夏休み明けで全ての生徒が気だるくなっている中、特大イベントがまた来る。
それは文化祭。
模擬店やイベントを運営したり出来るんだ。
それで、今、クラスではその話し合いが行われている。
「劇やりませんか?」
クラスメイトの一人がそう言った。私は裏方で充分だ。
「私、莉犬くんが王子様が良い!」
「えぇ……俺、脚本だけでいいのに」
莉犬くんはクラスメイトの言葉に苦笑いを浮かべていた。
すると、莉犬くんが何か思いついたように立ち上がって私を見た。
「あっ、そうだ!愛奈ちゃんがヒロインにやって!」
「えぇ!?ムリムリ!!」
私にお姫様役なんて出来っ子ない!!
「愛奈ちゃん。生徒会命令だよ」
莉犬くんがとんでもない圧をかけてくる……。
すごく断りにくい。
「みんなも賛成だよね?」
莉犬くんの言葉に、クラス全員が頷いてしまった。
「私、演技力ないけど大丈夫なのかな……」
「大丈夫だよ!だって、俺のヒロインだもん!」
ぐぬぬ……これは仕方ない。
「……分かりました。やります」
「よっし!」
莉犬くんはとても喜んでいるが、私はとてつもない不安に襲われている。
私、大丈夫なのかな……。