第5章 遊園地の観覧車
「さとみくん!私が払うよ!」
「いいからいいから、お前は黙っとけ」
会計時、レジ前で散々揉めて、結局さとみくんが払った。
「次はな……観覧車行っちゃうか?」
「うん!」
ヤッター!!観覧車乗るの夢だったんだ!
さとみくんに手を繋がれ、観覧車のところに行った。
誘導員に誘導され、観覧車のコンテナに乗り込んだ。
「うわぁースゴーイ!」
私は外の景色を見て興奮していた。
向かい側に座っているさとみくんが笑っていた。
「お前ガキだな」
「前はなりたくてもなれなかったからね……」
身分を隠す前は大和撫子の如く生きなくてはいけなかったから。
「あのさ、突然こんなこと言うのは悪いけど……」
さとみくんが重たい空気を醸し出してきた。
一体何を言われるんだろうか。
「お前のことが好きだ」
えっ……?
「どうしようもないくらい好きだ」
目の前でさとみくんは顔を真っ赤に私を見ている。
これはなーくんの時と同様、ガチもんの告白である。