第4章 苺色の夏花火
二人で手を繋ぎながら顔を真っ赤してみんなのところに戻ってきた。
「あっ、なーくん!石原さん!」
ジェルくんがそう呼び掛けてくると、全員がこちらを向いた。
「なーくん、どこに行ってたんですか!」
るぅとくんが緊迫した表情で聞いた。
「二人でゆっくり花火を見てただけだよ」
なーくんが優しい笑顔で答えると、さとみくん以外はホッとした表情になった。
「ホント、なーくんだけずるい……なぁ、愛奈。今度二人で出かけねぇか?」
「さとみくん!?何を言ってるの?愛奈ちゃんと出かけるなら俺も行くよ」
なんかなーくんとさとみくんの間にバチバチと鳴る雷が見えているような気がする。
「行くなら遊園地?俺もみんなで行きたーい」
「ジェルは黙ってた方が良いよ」
ジェルくんは遠井さんに注意され、すごくガッカリしている。
「ねぇ!二人共!」
私が声を上げると、さとみくんとなーくんはこちらに優しい微笑みを見せてきた。なんか不気味……。
「行くならみんなで行こうよ!私、このメンバーが大好きなの!」
私の言葉に、さとみくんとなーくんは顔を見合わせて吹き出した。