第4章 苺色の夏花火
私はなーくんの言葉に目を見開いた。正直、自分の耳を疑った。あんなイケボで囁かれたら死ぬ!
「ただ、俺は愛奈ちゃんを愛してるだけだよ。無理に付き合おうなんて言わない。愛奈ちゃんが誰を好きになっても構わないよ。俺は愛奈ちゃんが大好きなんだ」
私はなーくんのことが好きだけど、これがまだ恋なのか分からない。まだ私は何も返事が出来ない。
こういう時は何て返せばいいのだろうか。
「でも、私は……」
私は息を飲んで言った。
「私は今まで出会った人達の中で、なーくんが一番だと思ってる」
それだけは確実に言える。
「だって、なーくんはこんな私でも普通に仲良くしてくれた。いつもどんな時もそばに居てくれて嬉しかった」
これは恋だとは言えないけど、なーくんが一番私に幸せをくれたんだよ。
なーくんは驚いた顔してから、すぐ笑顔に変わった。
「ありがとう、愛奈ちゃん」
すると、花火が終わった。その時、なーくんは私の頬にキスをした。
顔が赤くなった私を見てなーくんは笑い、手を差し伸べた。
「みんなのところに戻ろう」
「うん!」
私はなーくんの手を取り、歩き出した。