第4章 苺色の夏花火
夏祭り当日。私はお母さんが呼んだ専門の方々に着付けやメイクなどをしてもらい、車に乗って、夏祭りの会場に向かった。
「あなた、本当に青春してわよね。あんなイケメンくんに囲まれて」
確かに、高校生活をたくさん楽しんでいる感覚はある。
「ほら、着いたわよ」
待ち合わせ場所に着き、私は車は降りてお母さんを見送った。
「愛奈ちゃん」
なーくんの声がして振り返ると、遠井さんを含めた七人が居た。
なーくんだけ浴衣で、とてもカッコ良かった。
「浴衣姿可愛いな」
「マジで可愛いな」
早速、なーくんとさとみくんが褒めてくれた。私は恥ずかしくなって、下を向いた。
「ほら、行くよ」
なーくんが私の手を取り、歩き出した。
「チョコバナナが一つ……チョコバナナが二つ……チョコバナナが三つ……!!」
「ころん!何やってるんだ!迷惑になるから静かにしろ!」
「チョコバナナ〜☆」
ころんくんは屋台のチョコバナナに夢中なようだ。普通に迷惑行為ですね。
「仕方ない。僕が買ってやる」
「やったーー!!るぅと会長ありがとー!チョコバナナバンザイ!!」
るぅと会長が買ってあげると、ころんくんは喜びの舞いをしていた。
「私もチョコバナナ食べよ〜」
「じゃあ、僕が買ってあげるよ。泣くほど喜んでね?」
「ホント?やった、ありがとう」
るぅと会長にチョコバナナを買ってもらい、なーくんのところに戻った。
「良かったね、愛奈ちゃん」
「うん!」
楽しい夏祭りがいよいよ始まる。
「お客さん!勘弁してくださーい!!」