第4章 苺色の夏花火
それから賑やかな日々が過ぎて行き、夏休みに入った。
家に帰省する者が多く、私達もそれぞれの家に帰省した。
暑い部屋でごろごろと寝転がっていると、電話が鳴った。
『もしもし、愛奈ちゃん』
「あっ!なーくん!どうしたの?」
唐突ななーくんの電話に、私は胸を高鳴らせた。
『来週の土曜日に夏祭りがあるでしょ?みんなで行こうかなって思って……』
夏祭りかぁ……小さい頃に家族と一回だけ行ったっきりだなぁ。
「うん!行くよ!」
『よっしゃー!楽しみに待ってるよ〜』
そして、電話が切れた。私はあまりの嬉しさに足をバタバタ動かしていると、後ろから笑い声が聞こえた。
振り向くと、お母さんが居た。
「あら、なんか嬉しそうね」
「友達と夏祭りに行ってくるんだ!」
「あらまぁ〜」
私の言葉に、お母さんはビックリしていた。
「じゃあ、お母さんがお父さんと夏祭りに行く時に着てた着物をあげるわ。その時にお父さんに告白されて、今があるんだから」
あれ?お母さん達ってお見合いで結婚したんじゃなかったっけ?
権力がすごい家だから、よくありそうな気がするんだけどなぁ。
早く来週の土曜日にならないかな。すごく楽しみ!