第3章 寮生活スタート!
どうしよう。なーくんに心配掛けさせちゃった。どう謝ればいいんだろう。
なーくんは私をお姫様抱っこして、私の部屋に行った。そして、私をベッドの上に降ろした。
「愛奈ちゃん、大丈夫?」
「あっ、うん……そこまででは……」
小さい頃は全然平気だったのに、今では画面を見ただけで酔ってしまう。
「愛奈ちゃん、画面酔い激しいんだね」
「ゲームも、したことない……」
ゲームなんて買ってくれる暇も無かったし、遊べる相手も居なかった。
なーくんは私の頭を自分の膝の上に乗せて、やさしく撫で続けている。
「なーくんって、優しいね……」
初めて会った時は怖かったけど、話していく内にどんどんその優しさに甘えてしまう。
「愛奈ちゃん……そんな可愛いこと言わないでよ。てっ、照れるじゃん……」
なーくんが顔を真っ赤にして照れてる。本当に可愛いなぁ。
「愛奈ちゃん、お風呂に行ったら?」
「うん、そうする。ありがとう、なーくん」
私は下着とタオルを持った。なーくんは心配しているのか、私の手を握ってくれた。とても温かく、男らしい手だった。
二人で脱衣場の入り口に向かっている時、みんなは何も反応をせずにゲームしていた。
「ありがとう、なーくん」
「良いの良いの。俺は愛奈ちゃんの味方だよ。きっと、みんなも心配してるよ」
やっぱり、なーくんはすごく優しくて、全ての言葉が心に響く。
「じゃあね、ゆっくり入ってきな」
「ありがとう」
なーくんは私の頭をポンポンと撫でてから、その場を去って行った。