第3章 寮生活スタート!
湯気の影響で汗を流しながら、全員分の麺を茹で、スープの素にお湯を注ぎ、麺を入れて完成である。
ちなみに、冷麺は既に完成していた。
「みんな〜自分のもの持って行って〜」
「はーい!」
私がそう言えば、なーくんが元気良く返事した。そして、みんなは自分達のものをテーブルに持って行った。
私も自分のを持って、なーくんの隣に座った。
「いただきます!」
みんなで手を合わせて、食べ始めた。冷麺はとても冷たくて美味しい。目の前からラーメンの熱風が来て、正直何とも言えない感じだった。
それでも、みんなで食べるご飯は格別だった。
食べ終わった後、男達はゲームを始めていた。私も誘われたが、画面酔いが激しいので断った。
私は遅れて到着した遠井さんと、自室で話していた。
「愛奈ちゃんって、ぶっちゃけ誰が好き?」
遠井さんがそんなことを聞いてきた。うーん、別にこれと言ってそんなの無いし……。
『愛奈ちゃん!』
なぜか、なーくんの声が頭の中で聞こえた。無意識に顔が熱くなってきた。何でだろう。
遠井さんはそんな私の顔を見て、ニヤリと笑った。怖い予感しかしない。
「やっぱ、居るんだね。特にななさとに好かれてるからそこ辺りでしょ?」
「ええ……好かれてるのかな?あんまりよく分かんないけど」
「愛奈ちゃんはめっちゃ気に入られてるでしょ?弁当箱作れ言った辺りからそうしか思えんけど?」
遠井さんにそう言われ、不意に口角が上がった。
「そうなら嬉しいな。いつも気を遣われて生きてきたから、色んな人と仲良く出来て嬉しい」
私の思いが口から零れてしまった。そんな私を見て、遠井さんはクスクスと笑っていた。
「そっかー愛奈ちゃんはホントに可愛がられる理由も分かるわ」
「へっ?」
それはどういうこと……?
「私も男だったら好きになってたよ。じゃあね」
遠井さんはそう言い残して、私の部屋から出て行った。
……えっ?全くどういう意味か分からなかった。