第3章 寮生活スタート!
とりあえず、自分の荷物を適当にセッティングしていた時だった。ノックの音が聞こえた。
「愛奈ちゃん、入っていい?」
莉犬くんの可愛い声が聞こえた。私は急いで部屋の扉を開けた。
「どうしたの、莉犬くん」
「なんか手伝うことあるかなって……」
うわぁ……莉犬くんも心優しい子だ。でも、私は首を横に振った。
「大丈夫だよ。ほとんどは片付けたし。本当にありがとね」
「いえいえ!なーくんも愛奈ちゃんが現れないって心配してたので、来てみただけです」
あっ、またなーくんに心配されてるみたい。荷物の整理は一段落ついたし、そろそろ共同スペースに行くか。
「じゃあ、共同スペースに行こうかな〜」
「それなら、俺もお供します」
敬語でそんな可愛い声で言われると、尊死しそうだ。でも、莉犬くんって何で敬語なんだろう?最初の頃にタメでいいって言ったような気がする。
「莉犬くんって、何でいつも敬語なの?」
「あっ!それは、俺が生徒会の部下なんですよ。だから、いつものクセで……。嫌だった、かな?」
「ううん、全然気にしないよ!ちょっと聞いてみたかっただけ」
「ふぅ〜それなら良かったです」
生徒会って、るぅとくんとかなーくんのお偉い方の息子さんも揃ってるし、さとみくんもそういう方だった気がする。
きっと、莉犬くんは慎重に接しているんだと思う。