第3章 寮生活スタート!
荷物をまとめて、お母さんの車に乗ろうと家を出ようとした時だった。
靴を履き替えた時にインターフォンが鳴った。私が急いで扉を開けると、なーくんとさとみくんが居た。後ろに黒塗りの高級車が一台止まっていた。
「おはよう、愛奈ちゃん」
「おはよう、愛奈」
「おはよう……二人共」
突然過ぎて、状況が読めない。確か昨日、迎えに行くって言ってたなぁ。
「あら、お二人さんどうして……」
お母さんも私の荷物を持って、部屋から出てきた。
「愛奈をお迎えに参りました。荷物を車に入れて、一緒に行きたいと思っていたのですが、よろしいでしょうか?」
なーくんの達者過ぎる言葉遣いに驚かされる。さすが、政治家の息子だ。
「ああ……愛奈が良いと言うなら……」
お母さんもなーくんに圧倒されて、口ごもっている。
「それなら、一緒に行こうか!なーくん、さとみくん」
朝から無理矢理ハイテンションを繕って、二人に言った。
「じゃあ、荷物入れるねぇ〜」
なーくんが私とお母さんが持っていた荷物を取り上げ、後ろに居た執事に渡した。その執事さんが、車の荷台に入れた。
「じゃあ、ばいばい、お母さん」
「うん、行ってらっしゃい」
私はなーくんとさとみくんに手を引かれ、高級車の後部座席に座った。
私はなーくんとさとみくんの間に座った。後部座席に三人も乗れるってすごい……って、当たり前なのか。
そして、私達を乗せた車は走り出した。