第2章 手作りお弁当
「お母さん、なんで家に居るの?」
「えっ?だって、明日から寮生活でしょう?見送ってあげないと」
唐突に優しくなったなぁ……。
「それに、あなたにはよく寂しい思いをさせてるでしょ?寮生活なら、寂しくないだろうしねぇ……見送りたかっただけよ」
お母さん、心配してくれたんだ……。なんか、嬉しい。
「これから会食パーティとかがあるから、気を付けなさいね」
会食パーティに出なきゃいけない年頃になってしまったのか……正直、面倒臭い。
「さっき言ってたななもりくんもさとみくんも居るからね?」
「えっ!?」
会食ということは、ど偉い人が私を狙いに来る。つまり、なーくんとさとみくんも居るということ。あと、るぅとくんも居るのかな。最悪だ……。
「明日は休日だけど、寮生活が始まるんでしょ?早くお風呂入って寝なさい」
「はーい」
寮生活……どんな毎日になるか、全く想像出来ないなぁ。料理係になるのは確定らしいけど。
私の家の権力が強いと知った時、彼らはどんな反応をするのだろう。腫れ物に触れるような感じになってしまうのかな。
六人……遠井さん含めて七人と一緒に居るのが楽しいのになぁ。