第2章 手作りお弁当
「ありがとう……」
「いえいえー!愛奈ちゃんとずっと一緒に居たいだけだから」
「俺も、なーくんと一緒だ」
なーくんとさとみくん、なんて優しい人達なのだろう。転校早々に反撃してしまったのに……。
そんな風に話していれば、私の家の前に着いてしまった。
「ああ、もう着いちゃったなぁ」
私はそう呟き、ため息を吐いた。すると、なーくんが私の肩に手を置いた。
「大丈夫。明日からみんなと一緒だよ」
「うんっ!」
私は玄関の前に立った。さとみくんとなーくんが優しく微笑んでいた。
「ばいばい、愛奈ちゃん」
「じゃあな、愛奈」
「うんっ、ばいばーい!」
私は必死に手を振って、家に入った。
「おかえり」
珍しくお母さんが居た。久しぶりに見たなぁ。
「学校、楽しい?」
「うん、すごい楽しいよ」
「そっかー」
お母さんは嬉しそうに笑った。どうして、お母さんは家に居るんだろう。いつも仕事なのに。
「さっきまで楽しそうな話してたわね」
「ああ……なーくんとさとみくんと話してたんだ。途中まで莉犬くんところんくんと一緒だったんだ」
「あらあら、逆ハーレムみたいになってるじゃない」
お母さんはクスクスと笑って言った。そう言われてみれば、毎日逆ハーレム状態だなぁ……。