第1章 転校初日から
「なぜ、拒否したんですか?あの二人に逆らう者はすぐに追放されますよ」
莉犬くんがそう問い掛けてきた。犬耳が生えてて可愛い。
というか、自分が気に入らないから追放とか酷くない?私だって忙しいのに!
「引っ越してきたばかりで、片付けとか色々やらないといけないので」
「ああ、そうでしたか!それなら仕方ないですね。でも、るぅと会長とななもりさんを怒らせてしまったのはマズいですよ」
「そうなの?」
私はこの学校の仕組みを全く知らない。一年生の二人が学校を仕切るとは、一体どういう仕組みをしてるのだろうか。
「それでは、この学校について設定しますね」
莉犬くん曰く、この学校はるぅとくんとなーくんが政権を持っている。
るぅとくんは、この学園を創立させた瑠組財閥の息子で、一年なのに生徒会長をやっているのだ。
なーくんは、超有名な政治家の息子で、この学園にはたくさん寄付してくれているため、るぅとくんと同等の権力を持っている。
「すごいね……」
そんな圧倒的権力を持っているなんて知らなかった。それなら周りも慎重に扱っているんだなぁ。
「えっと……石原さんは、俺と同じクラスなのでご安心下さい。怖い五人は別々なので」
「良かった……るぅと会長となーくんが居たら通えなかったよぉ。ありがと」
「いえ……あの、同い年なんでタメ口にしましょう!」
「はい!」
一日目で、莉犬くんという友達が出来た。嬉しい!