第2章 手作りお弁当
「ばいばーい!」
莉犬くんところんくんは、別の道に曲がるので、ここでお別れだ。
なぜか、なーくんとさとみくんと一緒に帰ることになった。二人は車で送り迎えしてもらってるはずなのに、どうしてだろうか。
「明日から寮生活が始まるんだね」
なーくんが優しい声で話し始めた。
「そうだね、寮ってどんな感じが全く想像出来ないなぁ」
「愛奈は転校してすぐだもんな。案外、るぅとの仕業かもしれねぇな」
ああ……るぅとくんなら、すぐお祖父さんに話せるもんね。
「なんかシェアハウスをする感じらしいよ」
「へぇー、そうなんだ」
なーくんのざっくりとした説明が逆に分かりやすい。
みんなで一つの家を使って、共同生活をするって感じなのかな。なんか、面白そう。
「明日、また迎えに行くよ」
「俺も行くぜ」
「えっ……申し訳ないです」
二人の優しい言葉に、私は頭を下げた。すると、二人はきょとんとしていた。
「いやいや!そんなことないよ!俺が愛奈ちゃんと居たいだけだから!」
なーくん、慌ててるのは分かるけど……ドストレートに嬉しい言葉を言わないで下さい。可愛すぎて、嬉し過ぎて、発狂しそう。
「女の子を一人で歩かせられないじゃん?だから、俺について来てほしい」
「さとみくん……」
女の子への気遣いとイケボの攻撃に、私は倒れそうです。