第2章 手作りお弁当
「喧嘩しないで早く帰ろう」
私が苦笑いをして言うと、なーくんとさとみくんはハッとこちらを振り向いた。
「荷造りもあるし、早く帰んねぇとなぁ?」
「そうそう!もう疲れたし、早く帰ろう」
二人は慌ててそんなことを言い出した。
「……でも、みんな揃ってないよ?」
私がそう言うと、スマホ画面を見ながら、莉犬くんが隣に来た。
「ジェルと遠井さんは……二人で仲良く帰ってるのかな?で、るぅとくんが生徒会の仕事で居残りですね」
「そっか、なんか寂しいけど、帰ろうか」
「うんっ!」
莉犬くんは笑顔で頷いた。本当に犬のようで、可愛い。
「早く帰ろうぜ〜僕疲れた〜」
「ころんくんもそう言ってるし、ねぇ?」
私がそう言って、さとみくんとなーくんの間に入ると、二人は優しく微笑んだ。
「うん、帰ろうね」
なーくんが私の頭を撫でて、優しく微笑んだ。
そして、五人で帰路を歩き出した。