第2章 手作りお弁当
「るぅとくん、食べてみる?」
るぅとくんがずっと私の弁当箱を見つめてくるので、弁当箱を差し出した。
「えっ、俺も食いたい!」
「あっ、ころんくんも良いよ。もうお腹いっぱいだし」
「よっしゃー!」
二人は弁当箱の具材を一口食べた。
「美味しい」
「うまっ!」
どうやら、二人に気に入ってもらえたようだ。
「遠井さん、美味しいよ」
「えっ、ありがとう……」
なーくんの後ろで、ジェルくんと遠井さんが幸せそうに昼食を摂っていた。
「俺にも食べさせて下さい!」
莉犬くんもそう言って、おかずを一口食べた。
「美味しー!愛奈ちゃん、すごいね」
「ありがとう。莉犬くん達にも気に入ってもらえて嬉しいよ」
あっという間に私の弁当箱の中身は消えた。その時にはみんな食べ終えていた。
「愛奈ちゃんともっと一緒に居たい〜」
「なーくん、駄々こねないで行くっすよ」
ジェルくんが、駄々をこねるなーくんを引っ張った。
なーくん、ギャップが強過ぎるんだよね。一番最初にあんなの見せられたらね……。
「もう授業が始まるから早く行こうぜ?どうせ、明日から同じ家で過ごすんだから」
「あっ、そうだった!」
なーくんは立ち上がり、私の方を見た。
「愛奈ちゃん、ばいばいっ」
「うんっ、ばいばい」
な組の方々と遠井さんは、私達に笑顔を向けて教室を出て行った。
「生徒会たる者、暴れてはいけないのに。ころん、俺達も戻るぞ」
「一番暴れてるのるぅとくんじゃん」
「何か言ったか?」
ころんくんの言葉に、るぅとくんは真っ黒なオーラで彼を睨み付けた。
「……ああ、すみませんでした。戻ろう、ね?」
「じゃあな、莉犬……愛奈」
私と莉犬くんは、ころんくんとるぅとくんが教室から出て行くのを手を振って見送った。
「このメンバーで寮生活って大変だなぁ」
私も莉犬くんの言葉に同感。
これから、大変そうだなぁ。