第1章 転校初日から
すぐ近くの百円ショップに着いた。中々行かないであろうなーくんとるぅとくんが目をキョロキョロと忙しそうに動かしていた。
「百円ショップに興味津々なのは分からなくもないけど、行くよ?」
私がそうやって注意すると、なーくんとるぅとくんは顔を真っ赤にしていた。るぅとくんもギャップに打たれるなぁ。
「なーくん、どの弁当箱がいい?」
「俺は……コレ!」
なーくんが指を指したのは、さとみくんの弁当箱と同じ大きさで紫色をしている、シンプルな弁当箱だった。
「じゃあ、それにしようか。えっと……るぅとくん?」
るぅとくんは私に弁当箱を渡してきた。自分を含めて四人はキツいよ?
「えっ、るぅとくん……そんなに……」
「何か文句あるの?会長命令なのに」
うわぁ……そういうところで会長パワー使うんだ。
「るぅとくん、顔真っ赤」
ころんくんがそれ言って笑うと、るぅとくんはころんくんを睨み付けた。
すると、なーくんが私の前に立ち開る。
「こらー愛奈ちゃん困ってるでしょうが!るぅとくんはあれだけ酷いことしたんだから、ダメだよ?愛奈ちゃんは、な組の姫なんだから」
なーくんの言葉に、私は首を傾げた。
るぅとくんを許さない気持ちは私も同意だけど……な組の姫とは何だ?
るぅとくんは溜め息を吐いて言った。
「別にいいよ。冗談に言っただけだし」