第1章 転校初日から
「なるほどね……るぅと会長なら、私を一人にさせるんだろうなぁ」
見た目も声も可愛いのに、あんだけ腹黒で……なんか、哀れだなぁ。
「おい、石原」
可愛い声で後ろから呼んできたのは、あのるぅと会長だった。
「あっ、るぅとくんじゃん。どうしたの?」
なーくんは普通に話しかけてる。仲良いんだろうな。
「逆に僕が御祖父様に怒られたんだけど。本当に何者なの?」
るぅと会長がイライラした様子で、私に聞いてきた。その結果は仕方ないことだと思うけど、私の秘密は言えないな。
「るぅとくん、寮の話とかどうなった?」
なーくんが寮の話に変えて、誤魔化してくれてる!優しいなぁ。
「もちろん、る組とな組は一緒だよ。なーくん達が居てこその生徒会だから」
るぅと会長は可愛い口調で、なーくんに言った。やっぱり、この六人の絆は離れないのだろう。
「るぅと、遠井さんも入れてよ」
「えー」
ジェルくんの発言に、遠井さんは嫌そうな顔をしている。
「うーん……遠井さんも入れようか」
るぅと会長はあっさりと了承した。
「えっ、ヤダ。男六人で女一人はキツい」
遠井さんは、顔を蒼白させて首を横に振っていた。ジェルくんはそんな遠井さんの様子に駄々を捏ねてるようだ。