第1章 転校初日から
クールな美しい女の子がこちらに来た。
「あー居た。あなたがるぅと会長に水を掛けた転校生ね。私は遠井って呼ばれてるけどよろしくね」
「あっ、私は石原愛奈。よろしくね、えっと……遠井さんでいい?」
出来れば名字っぽいあだ名より下の名前で呼びたかったけど、名乗らなかったなぁ。
「うん、いいよ。よろしくね、愛奈ちゃん」
「はい!」
遠井さん、なんて美しい人なんだろう。私なんか全然で、足元にも及びない。
「さすが女の子同士!仲良うなんの早っ!」
「うるせぇ、黙ってろ」
「それは酷いよ、遠井さん」
遠井さんとジェルくんの会話はコントみたいでとても面白い。
「でも、良かった。相手が遠井さんが同性で」
「私もよ。いつも六人に囲まれるなんて御免よ」
「酷くない……?」
私と遠井さんの会話にジェルくんが入ってきた。ジェルくんって本当に面白い人だなぁ。
「愛奈ちゃん、俺達と一緒にお弁当食べない?」
「うんっ!」
なーくんにそう聞かれて、私は頷いた。
「じゃあ、ここで食べちゃおうぜ!」
「そーしよ!」
な組の三人も近くの椅子を持ってきて、私の机でお弁当を広げた。