Second reincarnation【ツイステ】
第13章 オクトパス講義
「確かに、全員顔見知りです」
「僕の方からこの方々に話を通しておくことは造作でもありませんので、この方々を中心に貴女が女性であったことをお伝えして、段々と周りの理解を得るのも手かと思っています」
「…話だけ聞いてると造作ないことはないように聞こえるのですが…」
「交渉など今では朝飯前です。今日の天気の話をする感覚で済みますよ」
などと笑顔で言ってのけるアズール先輩に、初めてちょっとした腹黒さが見え隠れした
いつかシロ先輩が言っていたアズール先輩の笑顔は怖いっていう言葉の意味を、今理解することになるとは…
「幸いレイさんの交友関係はかなり立場のある方々が多く見受けられます。彼らの信頼を得てしまえば約八割型の危機は去ると見て良いでしょう」
「でもあの…先輩方の負担が明らかに多くないですか…?私、本当に助けられてるばっかりでは…」
「そんなに心配ならさ、小エビちゃんこれからもラウンジで働いてくれればいーんじゃね?ラウンジ終わった後でも、調べ物の手伝いならオレらが一緒に付き合ってやれるし」
「警護する手間が省けて良いかもしれませんね」
「えぇ!?そんな…対等な交換条件になってないんじゃ…!?」
「ほかの奴らと一緒にいられるより、そっちの方がいーんですけど。…それに、小エビちゃんといると楽しいし」
…そ、それは…半分ほどフロイド先輩の私情が含まれているのでは…?
なんて言う度胸はなく…
整った容姿のフロイド先輩に、覗き込まれるように見つめられて思わず顔を背ける
「……私も…先輩方といる方が安心は…します……」
「じゃー決まりだねぇ!よろしくー小エビちゃん」
「ではそういうことで、当面は味方増やしに尽力しましょう。私とジェイドでこれからこのリストの生徒たちに声をかけていきますので残りの二人はレイさんと一緒にほかの件の解決策を模索していてください」
「了解でーす…寮長さん」
「あと貴方は…次同じことをしたら意地でもイソギンチャクを植え付けるのでそのつもりで」
「えっ…なにそれこわ…物理的に支配しようとする気じゃん…」
「えーちょーおもしれーじゃん。今すぐやろーよ」
無邪気に笑いながら、突然立ち上がったフロイド先輩がシロ先輩の首を後ろから掴む