Second reincarnation【ツイステ】
第10章 お礼
だから、そう…お礼をしないと。という思考に至った
「モストロ•ラウンジの厨房って、私みたいな一般の生徒でもお借りすることってできますか?」
「お貸しするくらいなら別に構いませんが…何をするんですか?」
「皆さんにお礼がしたくて…私、料理以外に差し上げられるものがないので…」
少なくともフロイド先輩やジェイド先輩、シロ先輩はとてもよく食べるし、アズール先輩も日々の観察で唐揚げが好きだというのは見抜いている
あとはそれを振る舞うことができる場所があれば…
そう思って提案をしてみたけど…ラウンジの従業員でもない、ただの一年生にそんな許可…
言ってしまった後から、もしダメだと怒られたら?と思えてきて、だんだんと怖くなってきた
でもそんな心配は要らなかったらしい
「ならさー、小エビちゃんラウンジで働くの手伝ってくれれば良いんじゃね?そん時オレらに賄い作ってよ」
「そういうことでしたら…人手が多いに越したことはありません。僕は大歓迎ですよ」
「…良いんですか?」
「確かにそれ良いな。提供する料理作るより賄い作る方が量が多くて面倒くさかったんだよね」
「それは貴方たちがたくさん食べるからでしょう…」
「まぁ、赤字にはなっていませんし賄いはほとんどシロさんが材料提供してますから良いじゃないですか」
…そんな先輩たちの会話が流れていく
…えっとつまり…?
「…早速明日からラウンジおいでよ小エビちゃん!あ、寮服でね〜」
「…えっと…が、頑張ります!!」
「そんな緊張なさらなくて大丈夫ですよ。職業体験くらいに思っていれば。…シロさんなんて四品以上のオーダー暗記できなくて厨房要員固定ですから」
「おい、今の流れでオレを貶す必要あったか?」
「本当のことじゃん。クリオネちゃんダッセー」
「よしフロイド久しぶりにオレと喧嘩しようじゃねーか表出ろ」
「騒ぎを起こしたら僕が困りますから、軽率にそういう行為を働かないでください」
なんか…
こんな先輩たちのやりとりを見てると、段々とこの生活に馴染んできている自分がいることに気がつく
自然と笑みが溢れて、四人の先輩のことを見渡す