Second reincarnation【ツイステ】
第8章 捕食される側
「そーいうのは発想の問題でしょ。結構見様見真似で出来ちゃうもんだと思うけど」
「す、すごいですフロイド先輩…!」
「うまく作れないかもしれないし、あまり期待はしねーでほしーけど…じゃあ、その代わり一つ頼みがあんだけどいい?」
「はい…頼み、ですか?…私にできることだったら!」
「じゃあそこでちょっと動かないでくれる?」
「え?は、はい」
ここ最近でフロイド先輩の威圧的な身長にもすっかり慣れてきた
突然行われる顎置きやのしかかりや抱き絞められるといった行為にはすっかり慣れた…
と、思ってはいたんだけど
急に両肩を抑えられたと思ったら、そのまま首筋に顔を埋められて、思わず体が硬直した
…今時の男子校生ってこういうこともするのか…!?と考えながら、フロイド先輩が離れるまで固まる
…数秒後、無事に解放はされたものの…
「んー…やっぱりしない…気のせいだったのかなー…」
「な、何がですか?」
「初めて小エビちゃんに会った時…小エビちゃんから良い匂いがしたんだよねぇ。で、その時の匂いはなんだったのかなーって気になってたんだけど…」
…良い匂い…って…
獲物的な意味で…?
それとも…動物的に考えると…雌らしい匂い…という意味…?
今まで誰にも何も気づかれなかったのに…突然そんなことを打ち明けられて、思考が止まる
そういえば、私が女だってバレたらどうなってしまうんだろう
そんな恐怖が一気に広がって、一歩も動けなくなる
…やばい…顔に出てたりしないだろうか…?
ずっと黙ってるわけにもいかないので、なんとか声を絞り出す
「良い匂いって…食べ物の匂いでもついてましたか?」
「食べ物じゃあなかった。あれは珊瑚の海の学校で嗅いだことあったな…女の子の匂いだったなーって思ってさぁ」
「…ここ、男子校ですよ?そんなわけないじゃないですか」
「だよねぇー!オレもそう思ったー」
あははは…と二人で数秒笑って、それで、終わり…だと思った次の瞬間
「……って、なるわけないじゃん」