Second reincarnation【ツイステ】
第8章 捕食される側
「よく表紙だけで記憶の戻し方を調べてるってわかりましたね。タイトルは錬金術で作る薬品って名前なのに」
「あー…前に同じ本読んでる奴がいて、それでたまたま」
「へぇ…そうだったんですか」
近くの机に移動して、本を置く
記憶に関係してそうな薬品の作り方のページを見てみるけど…
記憶を奪う薬
記憶を無くす薬
記憶を書き換える薬
…どうして奪う系の薬はあっても戻す薬がないんだ…
1冊目からこんな調子で、思わずため息が出てしまう
「あは…その本読んでた奴と同じ反応じゃん。ウケる」
「その同じ本読んでた先輩は…記憶を戻す方法を見つけられたんですか?」
「んーんー…たくさん探してたみたいだけど…やめちゃった。もう良いんだって言ってた」
「…そんな…じゃあ…この学校にはその方法が無かったってことですか」
「そうだったんじゃない?…小エビちゃんはなんでそんなの探してんの?カニちゃんかサバちゃんの記憶でもどっかいっちゃったわけ?」
カニちゃん…サバちゃん…
ああ、エースとデュースのことだろうか…?
微笑んで、首を左右に振る
「私のために探してるんです。実は私、ちょっと思い出したいことがあるんですけど…どうしても思い出せなくて」
「それでそんな薬作ろうとしてんの?……オレが作ったげよっか?」
「え?…フロイド先輩、作れるんですか!?」
人が他にいなかったとしても、図書室で思わずガタンッと音を立てて声を荒げてしまった
そんな私の姿にニコニコと陽気に笑いながら、フロイド先輩は続ける