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Second reincarnation【ツイステ】

第30章 堕ちる



「…待て…何する気だレイ…」

「大丈夫。この人たちが…〝勝手に力になってくれる〟って。だから大丈夫だよお兄ちゃん。お兄ちゃんは何もしなくて」

「それは…それはダメだ!そんなことしたら道理から外れる…そんな罪をお前が犯すことなんかない!!」



妹を止めないと

でも体が動かず、ただ叫ぶしかできない


人を殺させるなんて…そんなこと、たとえ魔法を使用して自らの手を汚してないとはいえ…

妹にそんなことはさせたくない


肩が外れそうなほど力を込めても全く動かせず、やめろと、ダメだと叫ぶオレを見て妹は嬉しそうに微笑んだ



「夢を与えよう、幸せを見せよう、それはあなたが望む素敵な未来…対価はあなたのその笑顔…魅力的な海(ブルー・シー)…さぁみんな、お兄ちゃんを助けよう」



その一言でその場で倒れていた生徒たちが起き始める

まずい

本当にまずい…


そもそも血を大量に飲めば人に戻れる確証なんてどこにもない

生徒たちはそれぞれマジカルペンのキャップを取ってペン先を自らに向けようとする



「頼むから…頼むからやめてくれ…お前にそんなことして欲しいなんて微塵も思ってない…!」

「本当はお兄ちゃんにユニーク魔法をかけられればよかったんだけど、死人に魔法が効かないのは本当だったんだね。ここで会った時試してみたけど効かなかった。だからこれは仕方のないことなの」

「レイ…ッ!」

「お兄ちゃんが気に病むことなんてないよ。全部私が勝手にやるの。大丈夫…絶対お兄ちゃんを生き返らせてみせる」



そう言って、ゆっくり近寄ってきたレイが優しく抱きついてくる

…その顔は本当に楽しそうで、嬉しそうで…

ずっと見守っていたかった妹の笑顔を、こんな形で見ることになってしまって…顔を顰める


もうダメか…と

あきらめかけた時に、聴き慣れた声が響いた
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