Second reincarnation【ツイステ】
第30章 堕ちる
「お兄ちゃんが死んだのは…お兄ちゃんを殺したのは…私のせい。あの日卒業式に来て欲しいなんて言わなければ、お兄ちゃんは学校に行っててあんなところ通らずに済んだもの」
「…そんなこと…」
「あるよ。だってあの時間にあの道を私たちが通る可能性はそれしかあり得ない。…だからお兄ちゃんが死んだのは私のせいなの。私が全部悪いから…私が全て壊したから…だから元通りにしようと思って」
「…何を…ッわ!?」
いつのまにか足元まで広がっていた黒いドロドロに、片足が沈むんで膝をつく
と、そのまま身体中をドロドロに拘束されて身動きが取れなくなる
…これじゃさっきみたいなユニーク魔法も使えない
「もう逃さない…大丈夫だよお兄ちゃん。私がお兄ちゃんを生き返らせてあげるから」
「死んだ人を生き返らせる方法なんてこの世のどこにも無い…たとえ魔法を使ってもそんなことは…」
「死人って魔力を摂取することが原動力になるんだよね」
「……おい…何を考えて…」
「お兄ちゃん、今アズール先輩から少量の血をもらって暮らしてるんでしょ?少量なのにとっても人みたい…じゃあさ」
…次の瞬間
バルコニーを覆うほどのドロドロの黒い沼の中から数十人の生徒たちが次々と現れた
全員目が虚で…どこか生気がない
そこで合点がいった
レイは、一体どこで許容量を超えるほど魔法を使ったのか…
この場に倒れている大人数の生徒を見ればそれは一目瞭然だ
レイのユニーク魔法は相手を魅了し、命令して操れるというもの。かなり高度なユニーク魔法だから使用した際の不純物の量もかなりのものだ
それをこの…少しの短時間でこんなに使用したらあっという間に堕ちるに決まってる
「これだけたくさんの人間から全部血を貰えば、人間になれるんじゃないかなって思うの」