Second reincarnation【ツイステ】
第30章 堕ちる
「…おま……それは…ッ!」
肩に伸ばした手に、レイの方から掴みかかってくる
…その手は以上に冷たくて、しかも力強い
次に振り返ったレイと目があった
…黒髪に黒い瞳だったはずのレイの瞳は
死人であるオレと同じような、真っ赤な瞳に変わっている
でもそれを理解したところで現状はどんどん悪化していく
いきなり周囲の床からゴボゴボと見覚えのある黒い液体がどこからともなく溢れ出し始めた
魔法の気配がする…しかも酷く重たくて冷たくて、恐ろしい感じの
それがオーバーブロット前兆だと気がついた時にはもう遅かった
「おいレイ…!一体なんの魔法を使ってる…これ以上は危険だ!もうやめろ!」
「いやだ…私、嫌われてもいいから…お兄ちゃんを、お兄ちゃんを…」
「ッ!」
黒くてドロっとした液体が首に巻きついてきて身動きが取れなくなる
剥がそうにも手はドロドロをすり抜けて、文字通りもがくことしかできない
一体いつから…こんなになるまでブロットをため込んでたんだ…?
ゴーストの話から、起きたのはついさっきのはず
寝ている間に何かがあったとしか思えない
とりあえず目を覚まさせないと…それに、魔法の使用も止めさせないと、レイの身体がもたない
…オレ一人じゃ…この状況を変えられない
もがくことをやめて、手に持っていたマジカルペンを一振りしながらユニーク魔法の呪文を叫ぶ