Second reincarnation【ツイステ】
第30章 堕ちる
「いや、あの場のノリでわかったとは言ったけど追いつけるわけねーじゃん…」
ぜーぜーと息を切れさせて何度か深呼吸をして…着ていた寮服からマジカルペンを取り出す
最近はあまり魔法を使ってなかったから、今はかなり余力がある
こういう時に使わないで何がユニーク魔法だ
自分のユニーク魔法の呪文を唱えて、姿を鳥に変えてその場から飛び立つ
…すると案外あっさりと妹の姿を見つけられた
初めて会った時、レイのことを学園長を交えて話し合ったバルコニーに、ロングのワンピース状のネグリジェを着たレイが立っていた
すぐに急降下して、着地と同時にユニーク魔法を解く
「良かったレイ…目が覚めたんだな」
「……」
「…ずっと嘘ついてて悪かった…オレも最初はなんて伝えればいいか分からなくて言い出せずにいたんだ…でも、それももうやめるよ。お前が聞きたいことがあるなら、なんだって話す」
「……」
「…とりあえずほら、部屋に戻ろう。みんなも心配して……レイ…?」
「……」
ずっとオレに背を向けたまま、レイは何も喋らない
余程怒らせてしまっていたんだろうか…
と、最初は思っていた
でも次第に違和感が募る
風に靡くレイの髪が、月明かりに照らされて…若干透けているのが伺えた
だらりと下ろしたままの両手も…透けている
確か透けていたのは片手だけだったはずだ
胸騒ぎがして、多少強引にでもとレイの元に近寄って手を伸ばす
…と
「…捕まえた」