Second reincarnation【ツイステ】
第30章 堕ちる
それはある日突然、なんの前触れもなく起こった
「大変大変!!大変だよ!!」
「ゴーストのおばちゃん。どうしたの」
閉店したラウンジの掃除をしてる最中、眠っているレイの面倒を見ていてくれていたゴーストが駆け込んできた
…いや、足はないから…ラウンジに突っ込んできたっていう方が正しいか
「タオルの水を変える前まではベッドにいたのに…水を変えて戻ってきたらレイちゃん、いなくなってたのよ!!」
「…は、は!?」
「自分で目が覚めて出歩いたという可能性は?」
「靴そのままだったし…着替えてもないから部屋着のままだし、その可能性はあまりないとは思うんだけど…」
寮内のルールで、自室以外へ出る場合は基本制服での行動が義務付けられてる
ホリデーや長期休暇であったとしてもそのルールは変わらない
真面目で優等生なレイが、いくらかなり寝ぼけていたとしても部屋着のまま男子校内を彷徨くのは考えづらい…
さっきまでモップを片手に持っていたフロイドは、手に持っていたモップをその場に置き捨ててラウンジの外に走っていってしまう
「とりあえず探しにいかなきゃ。オレ行ってくる」
「あ、フロイド!…シロさん、フロイドについて行ってあげてください。僕はこのことをアズールに言ってきます」
「わかった」
それだけ短く答えてオレもすぐにフロイドの後を追う
…が、本気になったフロイドの速度にまぁ追いつけるわけもなく簡単に見失ってしまった