Second reincarnation【ツイステ】
第26章 悪夢
「…ちゃん…小エビちゃん!小エビちゃん!」
「……………ふ…ろいど…先輩…」
突然耳元で大きな声が聞こえて、慌てて目が覚める
…私には突然聞こえたような気がしたけど、フロイド先輩の様子を見る限りだと何度も何度も名前を呼ばれていたみたいだ…
「小エビちゃん…良かった。寝てるなーって思ってたら急に苦しそうに唸るんだもん」
「……夢を…見たんです」
「夢?」
「すごく…生々しくて…すごくリアルで…まるで現実に起こったことあるような…」
…そう…所詮夢だから…
だから、あの時見た兄の顔が…
シロ先輩だったなんて…きっとあれが夢だったからだ
それにシロ先輩は白髪で、兄は私と同じ黒髪だったはずだから…
きっと最近よく顔を見てたから、たまたまシロ先輩の顔が夢に出てきただけに違いない
…そう…そうに違いない…
「…小エビちゃん?大丈夫?」
「…フロイド先輩…一つ聞いても良いですか?」
「なーに?」
「シロ先輩はその…死人ですけど…元々はどこの生まれか知ってますか…?」
フロイド先輩たちの故郷は珊瑚の海。この世界には他にも、いろんな国や地名がある
私は例外的にここではない別の場所から来たから、私の故郷はこの世界にはないけど…
シロ先輩の故郷がこの世界のどこかって聞けば…この胸騒ぎも多少良くなるような気がする
そんな期待を込めて、フロイド先輩にそう聞いたけど
帰ってきた返答は、私の予感を的中させるものになってしまった