Second reincarnation【ツイステ】
第26章 悪夢
…そう、一つ上の…兄が…学校を休んで卒業式に来てくれたんだ
いつも通っていた通学路を、いつも通りに歩いて帰っていた
卒業式で友達と離れ離れになったのが悲しくて、帰り道は泣きはらしっぱなし
唯一家で私に優しくしてくれた兄が困ったように慰めてくれてたのが…昨日のことみたいに感じる
何で忘れてたんだろう…この思い出は私にとって大切な思い出のうちの一つだったはずなのに
でも少しして…急に辺りが暗くなった
聞き慣れない風を切るような音がして…
「………レイッ!!」
気がついたときには、兄に思いっきり突き飛ばされてて
何回か地面を転がった衝撃と、耳が裂けるほど大きな轟音
それで…
それで…?
「…お兄ちゃん…?」
突然の衝撃に思考が追いつかないまま、兄の方に視線を向ける
…さっきまで私と兄が立っていた場所には、砂埃と…
舗装された歩道はバラバラに砕け散ってて、何本か鉄骨が突き刺さっているように見えた
そんな悪夢のような現場の下敷きに…
いつも私を助けてくれて、いつも私に笑顔をくれた兄がうつ伏せに横たわっている
顔は見えない
動いてもいない
突き飛ばされた時の反動と、鉄骨のような重量物が地面に当たった衝撃で私も何回か地面を跳ねて転がったみたいであちこちに擦り傷や打撲の跡があったけど
そんなのお構いなしに、地面を這った
やっと手を伸ばせば兄の手を握れる
必死な思いで地面を這って、兄の手を握って…
うつ伏せに倒れたままの兄の顔を見て
思わず、息が止まった