Second reincarnation【ツイステ】
第25章 毒をも喰らわば
会話の内容から伝わるだろう…本当にヒマなんだ…
少し離れたところで練習してるアズールの超低空飛行をたまに笑って、くだらない雑談して…
そんなことを繰り返してるうちに終業のチャイムが鳴り響いた
「や、やっと…終わった…」
「レオナさんちゃんと洗濯用の服だしてくれてっかなー」
青い顔のままのアズールがよろよろと校舎に戻っていって、その後ろをラギーがついていく
…で、俺が用があるのはジャミルだった
授業終わりからずっと良い匂いがしていて、そろそろっとジャミルに寄っていって軽く匂いを嗅ぎ回ってみる
「……な、何か用か?」
「やっぱり間違いじゃなかった。今なんか食べ物持ってるだろ?」
「は?…まぁ、一応…」
そう言って、体操着のポケットからジャミルが取り出したのは小さな包装紙に包まれてるクッキーだった
さっきからなんとなく甘い匂いがしてた…のと、さっきの授業の合間に他の生徒がジャミルに渡していたのを見てたからもしやとは思ってたんだけど…
「それ…捨てちゃうんだろ?」
「…気付いてたのか。これが毒入りだって」
「ただのクッキーに魔法で込められた毒が入ってるなんてあり得ねーもん。それより、それ捨てるならくれない?」
「…何に使う気だ?」
「食べるに決まってんだろ?」
「誰が?」
「オレが」
「…は?…聞き間違いか?」
「オレが食べるんだよ。どうせ捨てるならくれって」
オレにとって食事はほぼ意味をなさないけど
食べ物に魔力がこもってるなら話は別だ
さっき飛行授業やったばっかで疲れてたからちょうどいいと思って聞いたんだけど…
…当のジャミル本人は信じられないものを見るかのような目でオレのことを見ていた