Second reincarnation【ツイステ】
第20章 淀
ゴッ…という痛々しい音を鳴らしながら無様を晒した…
「うぇ…なにその陸のイカれてるトレーニング…こわ…」
「違いますよフロイド。陸のトレーニングがイカれているんではなくて、シロさんの運動神経がイカれてるんです」
「聞いてれば好き勝手言いやがって…」
鋭い痛みには強いが鈍い痛みにはあまり耐性がないので今のは結構痛かった…
後頭部をさすりながら、魔法で適当に作った鉄棒を消して、双子の元に戻る
「そもそも今更特訓とか無理だろ」
「早々に諦めないでください」
「でもクリオネちゃんマジで運動神経皆無だしさすがにすぐには無理じゃね?」
「双子の片割れもそう申してますが」
「なにもしないよりはマシでしょう。それに…」
…言いかけたところでジェイドの言葉が止まる
一向に続きが出てこないから首を傾げると、はっとした様子で喋り続けた
「…いえ、今のはなんでもありません。とりあえずやりますよ」
「いやいや、待った待った…ヴッ」
「ジェイド容赦ねぇ…」
そのあと一時間ほど、ただひたすらジェイドに吹っ飛ばされる虐待を受けて特訓という名の拷問が終わった…
山に行ってないのに砂塗れになって歩いていると、反対側から同じ組のラギーとレイが歩いてくる
「あれ、シロくんとリーチ兄弟じゃないッスか…ってなんでシロくんそんな砂塗れに…?」
「ウツボに虐待された。…二人はマジフト部の帰りか…?」
「あ、いえ!これから練習場に行くんです」
「レイさん一人にしちゃ危ないんで、オレは付き添いッス。呼び出したのもあるんで」
「コバンザメちゃんやるじゃん。アメちゃんあげる〜」
「嬉しいッスけど…それ絶対味に飽きていらなくなったやつッスよね…貰うッスけど…」
ラギーの予測はまさにドンピシャで、そのアメはついさっきフロイドが購買で二個買ったうちの一つだ
最初は美味いと言いながら噛み砕いてたけど「二個もいらねーや…」と言いながらポケットに突っ込んでた
本当気分の浮き沈みが激しい奴だな…もう慣れたけど…
「…先輩たちは今からどこに?」
「こんな時間ですから…今からラウンジに向かう途中なんです」
「オレは先に風呂入ってから向かうけどな…」