Second reincarnation【ツイステ】
第19章 懐かしい
フロイド先輩が言ったことは本当だったかもしれないし、嘘をついたかもしれない
でもそんなことの真偽は関係ない…
これは…私がここに来る前に何度も食べたことのある味そのもので…
なにもしてないのに、急に涙が出てきた
そんな私にフロイド先輩がギョッとした顔で慌て始める
「ど、どっか痛いの?小エビちゃん…」
「いえ…違うんです……」
「辛い…?」
「…大丈夫です……」
時が経てば経つほど、涙は大粒になって止まらなくなっていく
私もなんでこんなに涙が出るのか分からない
それでもなぜか、泣かないといけない気がして…止められなかった
子供みたいに涙を流し続ける私のことを、フロイド先輩がいつもより優しく抱きしめてくれて、頭をポンポンと撫でられる
「……オレ小エビちゃんがなんで泣いてんのか、わかんない」
「…す、すみません…」
「別に怒ってないよ。ただ、小エビちゃんが泣くのは、見たくないって思っただけ。…こーしてたら泣き止む?」
「…もうちょっとだけ…このままでも良いですか…?」
「いーよ。今日はずっと一緒にいてあげる」
そう言ったきり、ずっと何も言わずに私の頭を撫で続けてくれて…
もう高校生のはずなのに、しばらくはそのまま泣き続けてしまって…
……気がついたときには泣き疲れて眠ってしまったらしい
泣いたせいで熱が上がって、ただでさえ正常な思考ができてなかったのにさらに悪化してしまったらしく、そのあとのことはほとんど覚えていなかった