Second reincarnation【ツイステ】
第18章 発熱ドロップアウト
…反応がない…
数秒ほどそのままの体制で、何も言わずにスッと鏡からアズールが顔を戻した
「どうだった?」
「…なんだか…普通、ですね…」
「当たり前だろ?魔法がないってだけで後はこっちとなんも変わらないんだから」
「ちなみに何が見えてたんですか?」
「どこかの家の中でした…ごく普通の家庭と言った感じの。おそらくそこの洗面所だったと思います」
「多分、それがオレとレイの実家だ。…話を聞く限り問題はなさそうだな」
レイが元気になったら、後はどうやってこれを伝えるか…だな
「…とりあえずは急ぐ必要があるわけでもないし…タイミングが良かったら話せば良いくらいの感じでいっか?」
「それで良いんじゃないですか?僕としてもレイさんの働きっぷりには目を見張るものがありますし…」
「僕も、レイさんがいてくれるとフロイドが楽しそうで何よりです」
優秀さや人柄の良さが人徳を積んでいたようで、二人がそう言う
オレとしても妹が褒められるのは喜ばしい
「じゃあ決まりだな。部屋に戻ろうか」
「ええ。アズールも病み上がりですしね」
「体調の方はほぼ万全ですよ。…それにしても今回はレイさんに助けられてしまいました…お礼を考えなければいけません。兄だと言うなら何か好物を知りませんか?」
「好物ねぇ…昔からスイーツは好きだったな。結構無欲な妹だったからそれくらいしかねだられた事なかったな」
「スイーツですか……もしかしたら、ジェイドやフロイド、シロの手を借りることがあるかもしれません…」
「僕からもお礼をしたいと思っていたので好都合です。フロイドもレイさんのためなら手伝ってくれるでしょう」
「オレも異議なし」
「ありがとうございます。…せっかくですから、盛大に執り行った方が楽しいですからね」
作った笑みではなく、本当に楽しそうに笑うアズールの姿を見て安堵からくるため息を一つ吐く