Second reincarnation【ツイステ】
第18章 発熱ドロップアウト
ほんの少しだけぼかして伝えてもいいだろう…
二人から視線をそらして、口を開く
「ジェイドはフロイドのことどう思ってる?」
「フロイドのこと…ですか?…大切な兄弟だと思っていますよ」
「それと同じだよ。オレたちも仲が良かったからさ。最後くらい笑顔を見たかったんだ」
「…貴方案外可愛いところがあるじゃないですか…」
「いいだろ別に…」
「でもそれなら願いはもう叶っているのでは?レイさんここにきてから貴方の前で何度も笑顔を見せていますよね」
「…そうだな。記憶を取り戻せたのも笑顔を見たときだったからな。…だからオレはあいつの願いを叶えてあげたいんだ」
記憶を取り戻す方法を早々に諦めた後は、自分のことについてひたすら調べたから死人というモンスターの知識だけなら誰よりもある自信がある
どの文献を見漁るも、死人に理性があるなんてこと自体が載ってないからどうも自分現状を把握できなかった
誰も血を与えてまで、死体のまま動き回るモンスターのことを知りたい。なんて興味がなかったから調べなかったんだろう
それから一通りの説明をした後、アズールが空になった皿をベッド脇に置いて…首を傾げた
「…今までの話を聞いていたところ…直撃はしなかったものの、レイさんも鉄骨落下の事故に巻き込まれはしたんですよね?」
「多分な。横たわるレイの姿を最後に、以降の記憶は無いからその後は知らないけど」
「レイさんは死人ではない…なので元の世界には帰れるでしょう。でももし貴方のことを思い出したら、一緒に帰ろうと言ってくるのでは?」
「その場合死人であるシロさんは一緒に帰るとどうなるんでしょう?」
「そりゃ魔力を原動力に動いてる死体だぞ。元の世界に魔法なんてなかったから…元の世界に戻ったら跡形もなく消えるんじゃないかな。幽霊みたいな感じに?」
元いた世界では魔法なんていう概念がなかったから、オレみたいな存在はあっちでは幽霊扱いにでもなるんじゃないだろうか
そう思って手をお化けのようにたらして見せる