Second reincarnation【ツイステ】
第18章 発熱ドロップアウト
二人の様子がおかしくて少しだけ笑ってしまう
「オレがこの学校に来る直前の話になるけど…オレたちは一歳差の兄妹で…ここに来る前オレは高等部に入ったばかりでさ、中等部の卒業式があったレイを迎えにいってて一緒に帰ってたんだ」
「…そこまで聞く限りでは貴方が死ぬようなことがあったように聞こえないのですが…」
「事件はこのあとすぐだよ。帰り道は見晴らしのいい道で、まだ日が高くて明るかったんだけど…その日はたまたま運が悪かったんだ。稀に見る運の悪さでさ…頭上から、工事で使ってた鉄骨が落ちてきた」
…オレの言葉に、二人は聞き入ってて何も言葉を発さない
「咄嗟にレイを突き飛ばしたけど、そんなの気がついたときにはもう遅くて…それでも、少しでも鉄骨の下敷きにならないところまでは飛ばせたと思うんだ。オレは見ての通りの結果だけどな」
「……妙に明るい言い回しをしますね…」
「だってもう死んでるし、今更腹を立てても仕方がないだろ?」
「…それで死んでしまった貴方が…なぜこの学校に来れたんでしょう?」
「オレもいつの間にこの世界に来て、いつの間に馬車に乗ったのか…そこは曖昧なんだよな。気がついたら学校にいたから。多分死人になってすぐだったから意識がはっきりしてなかったんだろ」
なんせ一回死んでるんだし
魔法がある世界は全く持って不思議なものだ…
今はアズールから血をもらって理性を取り戻してるけど、正確には血を欲してるんじゃなくて血に含まれてる魔力を摂取してる
そうやって魔力を得られる間は、普通の人間と変わらずに過ごせるっていう仕組みだ
「それで…死人になってしまった願いとはなんだったんですか?」
「……それは…」
…こう言う流れになって理由を言わなといけなくなるから黙ってたかったのに…
多分その願いはレイが元の世界に帰れた時にやっと叶うものだと思うから