Second reincarnation【ツイステ】
第16章 ストレスフラストレーション
「アズール、オレだけど…入っていーよね」
「フロイド…?どうしたんですかこんな朝早くに…」
そんなアズール先輩の声と共に扉が開かれる
中から出てきたのは、いつもはビシッと決まっている髪型が崩れてて、隈も酷くて、着ている寮服を着崩しているアズール先輩で…
そんなレアな姿を初めて見たので思わず凝視してしまう
でもそんな様子でも、いつもの手袋だけはつけたままだった
「……レイさん…どうしてここに…」
「用事があんのはオレじゃなくて、小エビちゃんの方〜」
「レイさんが…?…お見苦しい姿で申し訳ありません」
「いえ、そんなことありません!そういう時だって誰でもありますから」
視線をずらして眼鏡をかけ直すアズール先輩に、慌ててそう答えた
確かにかなりレアだけど…今の先輩は人魚じゃなくて人間だし、人間ならそういう格好をしていても全然おかしくない
そもそも今日休日だし、ここはアズール先輩の自室だし…
…って気軽に言えれば良かったんだけど、そんな気のいい言葉はすぐに口から出てこないもので…ただあたふたと身振り手振り動かしてしまうだけだった
「立ち話もなんですから、どうぞ。…あまり片付いてはいないのですが…」
「わっ…書類がたくさんですね…」
「この所契約違反をする輩がたくさんいて、それの取締り順位に試行錯誤してるんです。なるべく穏便に済ませたいので」
「……アズール先輩、ずっと働き詰めで大変でしたよね。何か飲み物を持ってきます。…何飲みますか?」
「え?…ではコーヒーをお願いします。すみません、なんのお構いもできず…」
「気にしないでください。私がしたくてやるんです」
「じゃーオレも小エビちゃんの護衛しよ〜。また後でねアズール」
そう言って、一度アズール先輩の部屋を出る