第11章 ー新たな戦いー
放課後ー…
全科目が終わり帰宅の時間
「何事だあああ!?」
お茶子ちゃんのその声の理由は
1-Aの教室を囲むように立つ人の群れ
何でも敵情視察だそうだが…
私達にとってはただの通行の邪魔だ
「意味ねぇからどけ、モブ共」
「知らない人のこととりあえず
モブって言うのやめなよ!!」
天哉君が注意するのもごもっともだ
でもそれを勝己は気にせずに帰ろうとする
「どんなもんかと見に来たが
随分偉そうだなぁ…ヒーロー科に
在籍する奴は皆こんななのかい?」
「あぁ?!」
ざわめく中聞こえたその声の主は
人混みから勝己の前まで出てくると
"幻滅するな"と吐き捨てるように言う
紫色の髪に整った顔立ちだが
目の下の隈がそれを邪魔している
そんな彼が言うには普通科や他の科は
ヒーロー科を落ちた人達がいるということ
「敵情視察?
少なくとも俺は調子乗ってっと
足元ごっそり掬っちゃうぞっつー
宣戦布告しに来たつもりー」
その言葉を聞き、ライバルが
ヒーロー科だけじゃないことを
再確認したのだった