第10章 ー臨時休講ー
「…黙りかよ」
『ごめん…しか言えない
個性を隠してたのは事実だから』
勝己の目を見れなくて俯いてしまう
自分の為とはいえ心配してくれてた人を
騙していたのというのは完璧な裏切りだ
「…じゃぁ教えろ
てめぇの本当の個性ってなんだ」
ずっと黙ったままの私にそう言う彼に
私は自分の個性について正直に話した
『…今出来るのはそんなところ
あとは怪我も治せるけど大きい怪我は
私の体力を口移しで与える事で治せるよ』
"与えすぎると倒れるけどね"
そう最後に笑いながら言うと
彼に腕を捕まれ気付けば押し倒されていた
この体制から逃れようと暴れるが
上から押さえつける力が強すぎて動けない
『え?い、いきなりな
「…ざけんな、クソチビ」
吐き捨てるようにそう言われ
次の瞬間にはまたこの間のように唇を塞がれた