第9章 ー襲撃後の決意ー
**椿紗side**
あれから私が目を覚ましたのは
日付が変わる前だった
「目が覚めたか」
お風呂でのぼせた時と同じように
私の目の前には相澤先生の姿ー
ただひとつ違うのは、
いつも下ろしている髪が結ばれている
『せんせ…』
「ったく…無茶しやがって…」
切なそうな顔で言われ、胸がズキっと痛む
『それは先生もです…
貴方が死ぬかもって…こわ…た』
あの光景を思い出して、思わず涙ぐむ
両親の様に先生まで居なくなるのかと
不安で怖かったあの時ー
今後の事なんか考える余裕もなくて
私は個性を使ってしまった
「俺のせいですまない…」
『謝らないで下さい!!先生が…
無事ならそれで良いんです』
私が倒れたせいで彼に
こんな顔をさせてしまったのかー
それに申し訳ないと思う反面
私は他の人が傷つくくらいなら
自分が傷つくほうがいいと考えてしまう
それが私のせいで傷つくのならば尚更だ
『先生、私個性隠すの…辞めます』
「?!どうして」
『隠してたら…
守れるものも守れませんから』
それにもうヴィランに…
ヤツに私の存在が伝わってるはずー
これからどんな危険が迫ってくるのか
全く予想もできないが…
(もう誰も私の前で…
誰も傷つけさせないからー…)
私の横に置かれた彼の手に自分の手を重ね
私は倒れる事になっても皆を守ると心に決めた