第6章 ーある日の放課後ー
「いいんだよ、お前はまだ若いんだ…
それにお前が幸せに暮らすことが
両親にとっては1番の望みだろうが」
いつもとは違う優しい声色に思わず涙が出る
『…でも、深く関わると
もしも失った時が…怖い…』
「そんなことはさせねぇよ
俺が担任のうちは俺の命に変えても
…誰一人危険な目にはあわせない」
本当にこの人はいつも欲しい言葉をくれる
思わず先生の胸元にギュッと抱きつくと
無言で抱きしめ、また頭を撫でてくれる
『…せんせ…がたん、にんでよか…た』
「あぁ」
数年ぶりに感じる
大人の男の人に抱きしめられる感覚
でもこの時先生の言った"命にかえても"
この発言のせいでさらに私のトラウマが
悪化することになるとは思いもしなかった