第6章 ーある日の放課後ー
**椿紗side**
『……う…』
「目が覚めたか?」
ぼやける視界の中で
心配そうに私を覗き込む誰か
「水、飲めるか?」
頭を軽く抱き起こされ
口元に冷たい水が流し込まれる
喉を通る冷たさが心地よい
そして漸く意識がはっきりして
目の前にいるのが相澤先生だと分かった
『せん、せい?なんで…』
「渡すものがあってきたらお前が倒れてたんだ」
"とりあえず服着てこい"
そう言って先生は背中を向ける
その時自分がまだタオル1枚なのを思い出し
私は急いで部屋着に着替えに向かった
「のぼせるまで風呂に入るな」
着替えて戻ってきた私に
先生は開口一番それを言う
『すみません、考え事してたらつい』
「考え事?」
『…私、雄英に入ってから
気が抜けてるなって思って…
今までただ復讐のためだけに生活してたから
…温かい人達に囲まれていいのかなって…』
そう言う私にただ相澤先生は頭を撫でてくる