第1章 ー両親の願いー
しまったと思ったと同時に聞こえたのは
男の子の泣き叫ぶ声ー
急いだものの結構な高さから落ちた
彼は血だらけの右足を抑えて泣いていた
「いだぁぁい、ママぁー、、ぅぐ、ぅ」
明らかに骨が肉から突き出ている大怪我
その時私が真っ先に思ったのは
これがバレたら自由に飛べなくなるという事
「お、俺誰か大人の人呼んでくる!」
近くに居た子供達が走り出す中
私1人ただそのこの前に跪いていた
(ママなら…治せる…私もママの子だもん)
両手を男の子の脚にかざしながら
ただ治れ治れと祈り続ける
怒られるのが怖い
飛べなくなるのが怖い
でも頭に浮かぶのはその事だけだった
そしてどのくらい経ったのかー
バタバタと大人の人達と子供たちが走ってくる
「おい!大丈夫か!」
誰かのお父さんだろうかー
倒れてる男の子に駆け寄り抱き抱える
『……ぁ、あの』
「君はお父さんとお母さんに
何があったか話してきなさい!!」
そして大人の人に怒鳴られるように言われ
私は半泣きになりながら両親の待つ家まで走った