第1章 ー両親の願いー
そしてー…
5歳になり個性に慣れてきた頃
私の運命を変える出来事が起きた
「お姉ちゃん、次僕の番だよ!!」
『うん!じゃあ、しっかり捕まっててね!』
その頃の私にとっての日課は
友達を連れて空を飛ぶことー…
それも訓練になると思ってのことだった
そして今も初めて会う男の子を抱えている
たぶん3、4歳くらいの小柄な男の子だ
(軽そうな子だし大丈夫そうかな…)
その子の手をしっかり持ち
『いくよ』と言って飛び立つー
いつも通り一気に飛び上がる
ふと男の子の様子を見ると
今までの子と違い顔が青ざめている
「…ぅ、ああああーーー?!?」
『え?ち、ちょ、あばれない…
落ち着かせようと声を掛けようとしたが
ずっと腕の中で泣き叫び暴れる男の子…
直ぐに降りようと公園の方に急ぐが
あと少しのところで男の子の手が抜け落ちた