第6章 ーある日の放課後ー
外が真っ暗になる頃
楽しい時間もとうとうお開きー
「じゃあ女子は家の近い男子が送ろうぜ」
そう言う切島君は
何だが本当頼れる男の子って感じだ
「神無月は家どっちなん?」
『私はこっちの方だよ』
上鳴君に聞かれ答えると
背後からぽんと肩を叩かれる
「じゃあ俺と同じだな、行こうぜ」
『あ…それじゃあ皆また明日ね』
皆に手を振り先に行く切島君を
追いかけるように走った
ーーー……
たわいもない話をしながら歩く帰り道
轟君や相澤先生と違って会話が途切れない
普段からクラスのムードメーカーでもある彼
それは彼自身の人柄の良さからだろう
『切島君の髪って地毛?』
「俺?いや、染めてるよ」
いつも綺麗にセットされた真っ赤な髪の毛の彼
『凄く綺麗だよね、いつも』
「そう言う神無月の髪も凄く綺麗だろ
サラサラだし…触ってみてもいいか?」
目を見つめながらそんな事を言われ
"うん"と言いながらも俯いてしまう
すると正面から顔の横の髪をひと房すくわれる
「月の光に当たると尚更綺麗だな」
サラッと言ったその言葉に
私の顔は茹でダコの様に赤くなった