第5章 ー彼の過去･私の個性ー

『帰り…気を付けてね』

「あぁ、遅くまで邪魔してわりぃ
…その連絡先聞いてもいいか？」

『もちろんいいよ、はい』

ずっとポケットに入れたままだった携帯を開き
LINEを開くと相澤先生からの着信とメッセージ

（帰った報告するの忘れてた…）

とりあえず轟君に連絡先を教え、彼を見送る


それからすぐ返信しようとトークを開いたとこで
電話の着信音が静かな部屋に鳴り響く

もちろん表示されてるのはー相澤先生の文字だ


『…も、もしも

「おい、帰ったのか」

『す、すみません
ちゃんと帰ってます…』


電話越しに聞こえる先生のいつもより低い声
それから少しお説教をされ私はひたすら謝った
『本当以後気をつけます……』

「はぁ……頼むから無駄に心配させるな」

溜息をつきながらいう先生の
背後から聞こえるエンジン音ー

『先生、もしかして今から帰るんですか？』

「あぁ、そうだが」

『じゃあ、帰り少しだけ寄って下さい』

"わかった"とだけ言って切れた電話を置き
私は急いでキッチンで作業に取り掛かった