第5章 ー彼の過去・私の個性ー
どれくらいの時間が経っただろう
気付けば部屋の中は真っ暗になっていた
『…落ち着いた?』
「す、すまねぇ
変なとこ見せた//…」
ばっと私から身体を離しながら
そういう声はいつもと違ってー
感情が出ている感じがして良い
『ふふ、大丈夫だよ
外も暗くなってきたね、時間大丈夫?』
「あぁ、門限とかは無いから大丈夫だ」
部屋の明かりをつけ、
彼の方を振り返ると少し耳が赤い
(って…抱きしめるなんて大胆すぎた、よね…)
『あ、あの…ごめんね
何かいきなり、その…
「いや…俺こそその抱き締め返してわりぃ
人の温もり感じたの久しぶりだったから…
神無月…ありがとうな」
そう言って初めて見た彼の笑顔
普段は大人びている彼も
笑顔は年相応の無邪気なものだ
『それは…反則だよ』
ボソッと呟いたその呟きは
彼の耳に届くことは無かった